■ HIVとは
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そもそもHIVとはHuman Immunodeficiency Virusの略で、
後天性免疫不全症候群(AIDS)の原因となるウイルスの名前です。
HIV感染(HIVキャリア)とはウィルスに感染している状態を指し、エイズとは呼びません。
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■ AIDS(エイズ)とは
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AIDS(エイズ)とはHIVに感染したことにより免疫力が極端に低下し、AIDS発症指標疾患と診断された状態(AIDS発症)の事を指します。
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■ HIVを含む体液
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一般的にHIVの感染源となりうるウィルス濃度を持っている体液は、血液・精液・膣分泌液・母乳です。
微量ながら唾液にも含まれていますが、感染にはバケツ2〜3杯ほどの量が必要だと言われています。
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■ HIVの感染部位
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・粘膜(口の中・尿道・直腸(肛門)・膣など)
・切創、刺創など血管に達する深い傷など
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■ HIVの感染経路
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■性的感染
男性の場合、亀頭に目に見えない細かい傷に膣分泌液が接触して血液中にHIVが侵入する事で感染します。
女性の場合、精液が膣粘膜に接触して血液中にHIVが侵入する事で感染します。
肛門性交では腸粘膜に精液が接触して感染。(特に腸の粘膜は薄い為、感染率が高いです)
性交ではなくとも、性器同士の擦り合わせでも感染する恐れはあります。
また、口膣で性器を愛撫する場合も、口の中に出血や微小な傷などがある場合、感染する恐れがあります。
ディープキスは唾液のみのやり取りで問題ないと思われがちですが、口の中を出血している場合は感染する可能性があります。
■血液感染
HIVに感染した血液が、傷・輸血・注射器の使いまわしなどによって血液中に侵入することで感染します。
■母子感染
母子感染には、妊娠中に胎児が感染、出産時の産道感染、母乳の授乳による感染の3つの経路があります。
このうち産道感染は帝王切開、母乳感染は粉ミルク等で感染を避けることが出来ます。
胎内感染は、妊娠中に薬で血液中のウィルス量を下げ、子供への感染確率を減らす事が出来ますが、完全ではありません。
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■ HIVの症状
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HIVに感染してから、2〜8週の間に風邪に似た症状が現れる方がいます。
しかしその症状は2〜3週間で自然になくなってしまいます。
実際にエイズを発症した場合(感染してから通常平均10年)、免疫力の低下により、カビ、原虫、細菌、ウイルスなどによる 日和見(ひよりみ)感染症 や悪性腫瘍などの症状を引き起こします。
また、HIVがミクログリア細胞(脳神経の免疫を担う)に感染した場合、エイズ脳症と呼ばれる神経症状(精神障害・痴呆)を引き起こす恐れもあります。
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■ HIV検査とは
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HIV検査では血液中にHIVに対する抗体が存在するかどうかを調べます。
まずスクリーニング検査法で陽性・陰性かを判断し、陽性の場合はHIV確認検査法でHIVに感染しているかどうかを最終的に確認します。
スクリーニング検査法とはPA法(ゼラチン粒子凝集反応)・EIA法(酵素免疫測定法)の2種類があり、
HIV確認検査法とはWB法(ウエスタンブロット法)と言います。
スクリーニング検査法の後にHIV確認検査法をする理由は、スクリーニング検査法だけではHIVに感染していなくても、たまたまHIVに反応する抗体が存在していた場合に陽性の反応が出てしまう為です。
その為、確実に確認するHIV確認検査法を行います。
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■ 正しい検査結果を出す為に
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HIVに感染したかどうかを正しく検査する為には、感染した疑いのある日から約2ヶ月以上経過してから受ける必要があります。
上記で述べたように、HIV検査では血液中にHIVに対する抗体が存在するかどうかを調べます。
そのHIVに対する抗体は、HIVに感染してから6〜8週間ほど経たないと体内にできません。
ですから、最低でも2ヶ月、出来れば3ヶ月以上経過して受ける事で、正しい検査結果を出すことが出来ます。
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■ HIV治療
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現状、HIVの特効薬はありません。
しかし、HIV=死ということでもありません。
HIV治療に使用する薬では、HIVを完全に治療することはできませんが、HIVの繁殖を抑えてエイズの発症を遅らせることができます。
放っておけば通常約10年で発症するところを、延長することができるのです。
ただし、金銭的問題、ウィルスが耐性を持つ、薬の副作用など様々な問題があります。
担当の医師と十分な相談を行って治療していきましょう。
今後、特効薬が作られる可能性もあります!
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